複合機(コピー機)に関する8種類のリース契約

リースで複合機を導入するなら知っておきたいリースの種類

複合機に関する8種類のリース契約

複合機を会社に導入する際、リース契約を結ぶのが通常ですが、そのリース契約は1種類だけではありません。もっとも一般的なのは、契約期間中、定額のリース料金をリース会社に支払い続け、期間が満期になれば複合機を返却するという形の契約ですが、実際にはその他にも、多様な契約形態があります。今回は、複合機のリース契約における8つの種類をご紹介していきましょう。

所有権移転外ファイナンシャルリース

「所有権移転外ファイナンシャルリース」とは、ファイナンシャルリースの1種類です。ファイナンシャルリースとは、借り手の顧客企業が選んだ物件(コピー機・複合機等)を、貸し手のリース会社が代わりに購入し、契約期間中それを貸与するという形のリース契約です。ファイナンシャルリースには、この他に、所有権移転ファイナンシャルリースというものもあります。

所有権移転外ファイナンシャルリースは、複合機の所有権は購入を担当したリース会社にあり、契約期間終了後は、借り手の企業は複合機を返却しなければいけません。複合機を継続して使用したい場合は、リース会社と再リース契約を結ぶか、新規のリース契約を結ぶ必要があります。複合機のリースとしては、もっとも一般的な形の契約形態となっています。

所有権移転ファイナンシャルリース

「所有権移転ファイナンシャルリース」は、前述のように、ファイナンシャルリースの1種類です。複合機の所有権が、契約期間終了後もリース会社にある所有権移転外ファイナンシャルリースと異なり、こちらの契約では、期間の終了後、あるいは期間途中でも、所有権を借り手企業に移動することができます。比較的耐用年数の長い機器に対して適用されることが多く、契約期間終了後も、機器を使用し続けるのを前提として結ばれる契約となっています。

オペレーティングリース

「オペレーティングリース」は、ファイナンシャルリースと同じく、リース取引の1種類です。オペレーティングリースは、リース物件中古市場が存在する場合、契約期間終了後にリース会社がその物件を中古市場で売却、または再賃貸することを前提に、借り手はその中古価値をリース料金から割り引いて利用できるという契約になります。オペレーティングリースの代表的な例としては、航空機、自動車、半導体製造設備、工作機械といったものがあります。複合機の場合、ほとんどがファイナンシャルリースに含まれ、オペレーティングリースで扱われることはあまりありません。

転リース

転リースとは、複合機などのリース物件を、別の企業に転貸するという契約です。転貸する企業は、多くの場合が子会社や取引先の会社となっています。例えば、子会社や関連会社を新しく立ち上げる際、親会社が代わってリース契約を結び、それを子会社に再リースするといった具合です。規模の小さな会社や、立ち上げたばかりの会社はリースの審査に通らないこともあるため、このような形を取ることがあります。しかし、2重のリース契約になるため、親会社の会計処理が比較的煩雑になってしまうというデメリットもあります。

リースバック

リースバックとは、複合機等の自社資産を一度リース会社など第三者に売却し、同じ資産をそのまま継続して使用しつつ、使用料を買い手企業に支払うというリース契約の1種類です。資産を売却することにより、代金として現金化できるということや、資産の所有権が買い手に移るため、固定資産税の納付や、減価償却に関する計算や手続きなどの手間がなくなるといったメリットがあります。赤字決算を避けたい場合や、資産の処分を迫られている場合などに用いられる契約手段で、売却とリースバック契約の締結は同時に行われるため、操業を止める必要がありません。資産を動かすことなく、そのまま使用を続けることができます。

購入選択権付リース

「購入選択権付リース」とは、複合機などのリース物件を、借り手が契約期間満了時に買い取れる権利が付属したリース契約です。借り手企業は、リース期間が終了する際、物件を買い取るか、または二次リースによってリースを継続するかを決めることができます。この契約のメリットは、契約当初にリース期間満了時の残存価値を計り、それを物件価額から差し引いた値段に基づいてリース料金を決めるため、リース料金を比較的低く抑えられるという点にあります。期間満了時に買い取りを選択する場合は、当初設定した残存価額での買い取りとなります。リース満了後、物件をどう処理するか決まっていない場合に利用される契約となっています。

メンテナンスリース

複合機に保守契約は欠かせません。現在は耐久性もアップし、故障も比較的少なくなっているとはいえ、精密機械である複合機は、いつ不具合が発生してもありません。通常複合機をリースする場合、リース契約と保守契約は別々に締結されますから、それぞれの料金の支払も、リース料金はリース会社に、保守料金は保守を担当する会社にと、支払先が分かれるのが普通です。

しかし、このメンテナンスリースでは、最初にリース契約と保守契約を一本化して契約するため、どちらの料金もリース会社に支払うだけで済みます。一本化することにより、経費管理がしやすくなったり、保守の更新忘れを防げるなどのメリットがあります。また、保守契約を別に結ぶ必要がないというのも、メリットの一つです。

不均等払リース

複合機などのリース契約においては、通常リース期間中、常に一定の金額を支払うことになります。しかし、状況によっては、時期によって支払額を変えたいという場合もあるでしょう。そうした時に便利なのが、この不均等リースです。このリース契約では、借り手企業の都合に合わせて、リース料金を設定することができます。例えば、開業直後で資金に余裕がない時などに、リース初年度の料金を少なく設定し、残りを2年目以降に振り分けるといったこともできますし、逆に資金の余裕のあるうちに、前倒しで払っておくなども可能になります。