エプソンとは
エプソン(EPSON)はブランド名で、正式名称はセイコーエプソン株式会社と言います。本社は長野県諏訪市にあり、プリンターやスキャナー、パーソナルコンピューターなどの情報機器・精密機器のメーカーとして、国内はもちろん、海外でもよく知られている企業です。「セイコーホールディングス株式会社」などと同様に、セイコーグループの中核会社でもあります。
エプソンの創業は1942年にさかのぼります。有限会社大和工業として創立され、主に腕時計の部品製造などを行っていました。その後、腕時計の一貫生産体制を整えると、61年にはエプソン株式会社の前身である「信州精器株式会社」を設立しています。85年には同社と合併する形で、現在のセイコーエプソン株式会社が誕生しました。
1980年には、コンピューター用小型プリンターの「MP-80」を開発。その後、84年にインクジェットプリンターを商品化するなど、主に家庭用プリンターや複合機を製造・販売してきました。業務用複合機の分野ではまだこれからというメーカーですが、近年徐々にその存在感を増しつつあります。
エプソンの業務用複合機としては、カラーインクジェット方式のA3複合機「LX-10000Fシリーズ」や「LX-7000Fシリーズ」などがあります。これらは印刷スピードも速く、かつ画質も良いという特徴があります。
エプソンの複合機の特徴
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操作性
まずは、エプソンの複合機の操作性について見てみましょう。LX-10000Fシリーズ/LX-7000Fシリーズの操作パネルは、新たに採用された9.0型の光学式カラータッチパネルで、スマートフォンと同じ感覚で操作することができます。画面が見やすく、直感的に扱えるようになっており、機能がわかりやすいイメージで示されるなどの工夫もなされています。また、ホーム画面によく使う機能を選んで登録し、自由にカスタマイズすることも可能です。
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スピード
エプソンの複合機は、印刷速度も進化しています。LX-10000Fシリーズの連続複写速度は、A4横片面で、1分間にモノクロ100枚、カラー100枚のスピードとなっています。インクジェット式のプリンターは、従来はレーザー式と比較してスピードが遅いと言われていましたが、現在はそうした点は改善されており、高速の機種も多く販売されています。
また、エプソンのLX-10000Fシリーズはファーストプリントも6.2秒という速さで、急ぎのコピーでも待たされることなく印刷することができます。 -
画質
続いてはエプソンの複合機の画質についてですが、LX-10000Fシリーズ/LX-7000Fシリーズの解像度は600×1,200dpiとなっています。高解像度での印刷によって、通常の文字はもちろん、細線などもクリアで精緻に再現することができます。やはり従来のインクジェットプリンターでは弱点とされていた「にじみやすさ」を、全色顔料インクを使用することで改善。水濡れや、水性マーカーの書き込みでもにじみにくく、幅広い用途でのカラープリントに対応することができます。
さらに色の再現性に関しても、シアン、マゼンダをより鮮明に再現することで、細かい色の判別が容易になっています。
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環境性能
エプソンの複合機はエコ面の性能も充実しています。LX-10000Fシリーズの動作時の消費電力は320W以下に抑えられており、環境への負荷が低減されています。さらに、待機時も含めた消費電力を表すTEC値は1.2kWhと、高水準を達成。また、電力設計は、世界基準の国際エネルギースタープログラムVer.2.0に適合した省エネ仕様となっています。
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セキュリティ機能
エプソンの複合機のセキュリティ機能についても見ておきましょう。エプソンの認証印刷オプション「Epson Print Admin」では、ICカードによる認証によって情報管理を徹底させることができます。プリントをする際、ICカードを本体にかざさなければ動かない仕組みとなっており、印刷物の放置や紛失を防ぎ、情報漏えいの機会を減らすのに役立ちます。また、ICカード認証によって、個人や部門ごとに機能の制限を設けることができ、余計なコピーやスキャンでの情報漏えいを防ぎやすくなります。
さらに、印刷ジョブごとに暗証番号を設定し、本体でそれを入力しない限り印刷できない「パスワード印刷」や、コピー時に背景に透かし文字を浮かび上がらせる「透かし印刷」、「マル秘」、「重要」などのマークを文書上にスタンプできる「スタンプマーク印刷」などの機能も利用することができます。
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保守
エプソンの複合機の保守には、数種類の定額サービスがあります。まずは、引取りサービスと持ち込み修理が合わさった「エプソン引取保守パック」。これは、保守期間中に故障した場合、製品を引き取って修理してもらえるというサービスです。自分で持ち込むこともできますし、無償で引き取ってもらうことも可能です。ほかにも、保証期間の過ぎた製品の保守が受けられる「エプソンGo-PACK」や、顧客の要望に合わせて保守サービスをカスタマイズできる「年間保守契約」などがあります。
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まとめ
エプソンの複合機というと、家庭用のイメージが強いのが実情ですが、実際には業務用の機種にも力を入れています。特に最近では、インクジェット方式のビジネス用プリンターを次々に開発しており、徐々にこの分野でも存在感を上げてきています。
以前はどちらかというと、インクジェット方式はビジネス用として向かないという声もありましたが、最近ではさまざまな改良が施され、高速でにじみにくい機種が多くなっています。これから業務用複合機の分野で、エプソンの名前がますます大きくなっていくのは間違いないでしょう。