HP(ヒューレット・パッカード)とは
日本HPは、アメリカの企業HP Inc.の日本法人です。元々は日本ヒューレット・パッカード株式会社の一部でしたが、米国本社が2社に分かれるのに伴って、分離・独立したのが日本HPになります。パソコンやプリンター、スマートフォンなどの製造・販売事業を、日本ヒューレット・パッカード株式会社から継承しました。家庭に向けた小型PC、タブレット、小型インクジェットプリンターから、法人に向けた業務用PC、複合機など、多彩な製品を取り扱っています。
1934年に誕生した米HP社は、60年代に日本で合弁事業を起こしたのをきっかけに、アジアへの進出に乗り出しました。80年代に入ると、パソコンに接続可能なインクジェットプリンターとレーザープリンターを発売し、本格的にプリンター事業に参入。以後、独自の技術によってさまざまな製品を開発し、幅広い層のユーザーにアピールし続けています。
HPの複合機は、レーザー方式の複合機と、インクジェット方式の両方が販売されています。HPはプリンターの世界シェアでトップの実績を誇っており、日本向け製品にもその技術力は生かされています。業務用複合機ではどちらかというと、小規模オフィスやSOHOワーカー向けの製品が充実しているという特徴があります。
HP(ヒューレット・パッカード)の複合機の特徴
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印刷方式
HP(ヒューレット・パッカード)の複合機には、前述のように、インクジェットとレーザーの2種類があります。インクジェットプリンターは、インクを直接用紙に吹き付けて印刷する方式で、レーザープリンターはトナー(インク粉末)をドラムに噴きつけ、それを用紙に転写する仕組みになっています。インクジェットはレーザーに比べ、画質は良いものの、印刷にやや時間がかかるという特徴があります。従来ビジネス用複合機においては、短時間で大量印刷しやすいレーザー方式の方が向いているとされてきました。しかし最近では、インクを染料インクから顔料インクに変えることで、乾燥に時間をかけることなく、高速印刷もできるようになっています。
レーザープリンター・複合機の分野では、HPは世界シェア30%を誇っています。1984年に発売されて以来、世界中のユーザーに愛用されてきました。一方インクジェットプリンターに関しても、さまざまな規模の企業はもちろん、教育機関などでも幅広く導入されています。HPでは、異なる方式の製品を扱っていることで、個々のニーズに適した機種が選びやすくなっています。
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スピード
HP(ヒューレット・パッカード)の複合機のスピードについて見てみましょう。A4インクジェット複合機のHP PageWide Enterprise Color MFP 586z(G1W41A#ABJ )では、1分間に最大で75枚の印刷が可能となっています。また、ファーストページアウトは最速で約7.4秒。スキャンスピードについては、1分間で最高約70面の速さがあります。
さらに、HPの独自技術である「HP PageWide」によって、A4フルページ幅の印刷を高速に行うことが可能となっています。カラーレーザーにも負けない高速連続印刷に加え、ファーストプリントアウトページも素早くこなせるので、業務を滞らせることなく、スムーズに作業を進めることができます。
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画質
HP(ヒューレット・パッカード)の複合機の画質についてですが、HP PageWide Enterprise Color MFP 586z(G1W41A#ABJ )では、印刷解像度は最高で2400dpi×1200dpi(カラー)、1200dpi×1200dpi(モノクロ)となっています。インクジェット方式は前述のように、高い品質での印刷が可能ですから、ビジネス文書の印刷以外でも、写真やイラストといったデザイン関連のプリントにも利用することができます。しかも、新しく開発された顔料インクは耐水性や耐褐色性、耐汚れ性に優れているため、にじみや色落ちに強く、耐久性に富んだ文書を作ることが可能です。
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セキュリティ
HP(ヒューレット・パッカード)の複合機はセキュリティ機能も多彩です。マルウェア対策は複合機においても必須の事項となっていますが、HPの製品では、稼働中のデバイスをマルウェアの侵入から守る「ランタイム侵入検知機能」や、マルウェアの実行を阻み、検知した場合には自己修復を行ってくれるプログラム「HP Sure Start」、デバイスのセキュリティ設定を調べてくれる「HP JetAdvantage Security Manager」などの機能が備わっています(HP Enterpriseモデル)。
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保守サービス
続いては、HP(ヒューレット・パッカード)の複合機の保守サービスについて見てみましょう。「クリニック・サービス」は、依頼するとサービスマンが訪問して、製品内部の主要な部分のクリーニングや、動作部分の細かいチェックなどを行ってくれます。「メンテナンスキット交換サービス」は、消耗や摩耗して交換の必要がある部品を、訪問して取り換えてもらえるサービス。その他にも、突発的な事故で壊れたり、不具合が連続するような場合に利用できる「リフレッシュ・サービス」や、保証期間が終わり、かつ保守サービスに加入していない機器の訪問修理が受けられる「ハードウェア・パーコール・サービス」などがあります。それぞれのサービスの価格は、機種によって異なります。
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まとめ
HP(ヒューレット・パッカード)は、プリンターの世界市場でトップの実績を誇っています。日本における業務用複合機の分野でも、主に小規模オフィスや個人事業主に向けた小型製品で存在感を放っています。レーザー、インクジェットどちらも扱っており、ニーズに合わせた製品が選びやすいというメリットがあります。高いレベルの独自技術により、ユーザーの信頼も厚いメーカーですから、特にSOHOワーカーや中小企業においては狙い目であると言えるでしょう。