コニカミノルタの複合機(コピー機)を比較

コニカミノルタとは

コニカミノルタ株式会社は、複合機などのOA機器から、インクジェットヘッドなどの印刷機器、医療関連機器や産業用光学システムなど、主に印刷や映像関連の製品を製造・販売する電機メーカーです。カメラやフィルムのメーカーだったコニカと、複合機などの製造を行っていたミノルタが2003年に経営統合し、現在のコニカミノルタ株式会社へと姿を変えました。

コニカ、ミノルタともに歴史の古い会社で、コニカは1873年、ミノルタは1928年に創業しています。1960年には、ミノルタが複写機の一号機である「コピーマスター」を発売するなど、複写機事業にも早くから参入していました。90年には、デジタルフルカラー複写機「CF70」を発売しています。2007年にはカメラ・フィルム事業からは撤退していますが、複合機の製造は継続しており、カメラメーカーの老舗として培った技術力から、特に画質において高い評価を得ています。そうした高い性能によって、複合機業界では大きな存在感を持つメーカーとなっています。

コニカミノルタの複合機の特徴

  • 操作性

    コニカミノルタの複合機のタッチパネルは、「INFO-Palette(インフォ・パレット)」というデザインコンセプトに基づいて設計されています。すっきりしたデザインで扱いやすいのに加え、ユーザーに合わせた画面のカスタマイズも可能。両面印刷などのよく使う機能を、トップメニューのショートカットキーに、最大23個まで登録することができます。さらに、各モードに表示される機能キーをカスタマイズして、ユーザーや部署に応じて設定するなども自由です。こうしたカスタマイズにより、操作を簡略化して作業効率をアップさせることができます。

    その他にも、フリックやドラッグといったスマートフォンなどでおなじみの操作も可能ですから、より快適でスムーズに使用することができます。

  • スピード

    続いては、コニカミノルタの複合機のスピードについて見てみましょう。連続複写速度は機種によって異なりますが、高速機のbizhub C754e / C654eでは、A4ヨコのコピーでカラー60枚/分、モノクロ75枚/分となっています。原稿読み取り速度は、A4ヨコ、片面時でカラー、モノクロ共に90枚/分(400dpi)、両面同時読み取りで、180枚/分です。

    特筆すべきは紙詰まり時の読み取り速度で、コニカミノルタの複合機は印刷途中で紙詰まりが発生しても、ADFの読み取りが中断されません。読み取りデータはそのまま保存されますから、紙詰まりが解消されるとすぐに印刷を続行することができます。他メーカーの機種のように再度読み取りを行う必要が無いので、時間のロスを最小限にできます。

  • 画質

    コニカミノルタの複合機の画質についてですが、読み取り解像度は600dpi×600dpi、書き込み解像度は1,800dpi相当×600dpi(bizhub C754e / C654e)となっています。前述のように、コニカミノルタはもともとカメラなどの光学機器メーカーとして発展してきました。そこから培われた技術力によって、他メーカーよりも美しく鮮明な画質での印刷が可能となっています。特にカラー写りの良さは抜群で、同じく画質の良さで定評のあるゼッロクスなどの他社製品にも劣らないクオリティを誇っています。こうした画質の良さから、デザイン関係の企業でも非常に人気があるメーカーとなっています。

  • 省エネ・環境性能

    コニカミノルタの複合機には、さまざまな省エネ機能や環境に配慮した工夫が付加されています。まずは、定着装置に「IH定着」という技術を採用したことにより、定着装置の消費電力を抑制。さらにスキャナー光源にはLEDを使用し、電力消費を抑えると共に、原稿照射が明るくなったことでスキャンの高速化も実現しています。また、スリープ時の消費電力削減や、TEC値(1週間の消費電力量)を低減するなどの工夫も施されています。

    環境面での配慮は、本体の23カ所に再生素材(再生PC/PET、再生PC/ABS、バイオプラスチック)を使用し、資源の再利用を推進するなどの工夫に現れています。また、コニカミノルタの独自基準である「グリーンプロダクツ認定制度」を制定することで、自社製品の環境性能を高める試みも続けています。

  • デザイン

    コニカミノルタの複合機の特徴としては、「デザインの良さ」という部分も大きくなっています。特に近年は、白と黒のバランスが美しい複合機のデザインが目立つようになり、性能と共に見た目のスマートさでも注目されています。このようなデザイン性の高さも、広告関連などの企業でコニカミノルタの製品が好まれる理由の一つとなっています。

  • まとめ

    以上のように、コニカミノルタの複合機は、シェアこそ3大メーカーに及ばないものの、性能やデザインの面では決して劣っていません。特に、光学機器メーカーの強みを生かした印刷画質は、3大メーカーの製品をしのぐクオリティを持っています。また、紙詰まりが比較的少なく、使い勝手が良いという点も特徴。デザイン性の高さも魅力で、インテリアのような美しさを誇っています。

    保守の点に関しては、大手メーカーに比べ、若干サービス拠点の数が少ないという面もありますが、耐久性の良さや故障の少なさは定評がありますから、そうした点はあまりマイナスにならないと言えます。何より複合機の画質やデザインにこだわりたいという場合は、コニカミノルタは非常に魅力的なメーカーと言えるでしょう。