ムラテックの複合機(コピー機)を比較

ムラテックとは

ムラテックは、正式には「村田機械株式会社」と言い、京都市に本社がある機械メーカーです。創業は1935年、繊維機械を中心に製造・販売する「西陣ジャガード機製作所」としてスタートしました。その後、工作機械や物流機器の分野にも進出するなど事業を展開しつつ、1962年には現在の社名に変更しています。70年代に入るとファクシミリの製造にも本格的に参入し、1973年には日本電信電話公社によるファクシミリ認可商品第一号となる、「dex180」を発売。87年には、業界で初めての10万円を切る普及型ファクシミリを発売するなど、主にファクシミリ事業の分野で存在感を放ってきました。

91年には統一ブランド「ムラテック」を導入し、97年になると、デジタル複合機の「V-950」を発売しています。以後、複合機メーカーとして一定のシェアを確保してきましたが、2013年にはコニカミノルタと複合機の業務提携を結んでいます。これによって、現在はコニカミノルタの製品をムラテックが販売するという形になっています。

ムラテックの複合機の特徴

  • 操作性

    まず、ムラテックの複合機の操作性(MFX-C3690/MFX-C3090/MFX-C2590)について見てみましょう。タッチパネルは9インチのWVGA TFT大型液晶を搭載しており、見やすく扱いやすい画面となっています。静電式のタッチパネルを採用し、指先で軽くなぞるだけでスムーズに操作することができます。また、メニュー画面や各機能のトップ画面をカスタマイズすることもでき、コピーやスキャンなど、よく使うアイコンを目立つ位置に置いて使い勝手を良くすることもできます。さらに、パネル下部の4つのボタンや、画面内部のソフトメニューキーによく使う機能を登録しておくこともできるので、より素早い操作が可能。もちろん、パネル操作はフリックやドラッグなど、スマートフォン同様の操作ができるので、直感的でなめらかに扱えます。それに加え、2本の指でプレビュー画面を回転させることもでき、仕上がり具合をより細かく確認することが可能となっています。

  • スピード

    ムラテックの複合機(デジタル複合機MFX-C3690)は、連続複写速度はカラー、モノクロ共に36枚/分(A4ヨコ)となっています。ファーストコピータイムはカラーで6.9秒以下、モノクロで5.3秒以下となっており、原稿の読み取り速度は、カラー、モノクロ両方共に55枚/分(A4ヨコ片面、600dpi)、両面の場合は110枚/分となっています。

    ムラテックの複合機は中速機がメインで、高速機は扱っていません。月間印刷枚数がそれほど多くない企業向けの製品となっています。

  • 画質

    ムラテックの複合機の画質は、MFX-C3690/MFX-C3090/MFX-C2590においては、読み取り解像度が600dpi×600dpi、書き込み解像度は1,800dpi相当×600dpiとなっています。また、プリンター機能では細い線の再現性に優れた1,200dpiの解像度を採用しており、斜線や曲線といった微妙なラインもきれいに表現できるようになっています。

  • セキュリティ

    ムラテックの複合機のセキュリティ機能についても見てみましょう。MFX-C3690/MFX-C3090/MFX-C2590のシリーズでは、FAXの誤送信を防止するための、宛先の2度入力や宛先確認表示、メモリー受信とPC転送(メモリー受信したFAXデータをPCに転送する)といった機能が備わっています。また、複合機のアクセス管理についても、機械単体での認証はもちろん、オフィス全体の認証システムと連動させて管理することも可能です。ユーザー認証に関しては、ICカードを用いた認証のほかに、指の静紋パターンによる認証も可能となっています(オプションの指静脈生体認証装置等が必要)。この機能を用いると、本人以外の人間による「なりすまし」でのアクセスを防ぐことができ、不正な情報流出をより食い止めやすくなります。

  • 環境機能

    ムラテックの複合機MFX-C3690/MFX-C3090/MFX-C2590は、前任機よりもTEC値(1週間の消費電力の量)が12~14%ほど低減されています。また、スリープモード中の消費電力も前任機の2分の1に抑えるなど、省エネ設計を徹底。その一方で、スリープ状態からの復帰時間がわずか20秒以下と、快適な操作性も確保されているという特徴があります。

  • 価格・保守

    前述のように、ムラテックの複合機は、実質的にコニカミノルタの製品となっています。しかし価格においては、コニカミノルタの販売価格より比較的安く設定されていることが多くなっています。ムラテックは複合機販売ではシェアも下位のため、価格を安く抑えて販売を伸ばす戦略を取っているためです。

    一方保守に関しても、ムラテックはメンテナンスマンの対応が良いという特徴があります。顧客と密にコミュニケーションを取り、丁寧な対応をするため、特に主な取引先である中小企業からは大きな信頼を得ています。

  • まとめ

    ご覧のように、ムラテックは複合機販売においては、それほどシェアは高くありません。以前は自社開発した製品を販売していましたが、現在はコニカミノルタの製品を販売するようになっています。その代わり、価格も比較的安く、しかもメンテナンスの対応が非常に良いというメリットがあります。歴史ある老舗の企業ということから、社会的な信用も高く、顧客の企業からも根強い支持を受けています。印刷速度が中程度の複合機を探している場合は、ムラテックの製品はおすすめと言えるでしょう。