東芝テックの複合機(コピー機)を比較

東芝テックとは

東芝テック株式会社は、電気通信機器メーカーとして、東京都品川区に本社を置いています。前身となる会社の歴史は大正8年にまでさかのぼりますが、1940年に東京芝浦電気株式会社(現(株)東芝)に買収されたのち、1950年に分離独立。その後1994年にテック電子株式会社と合併し、1999に現在の社名である「東芝テック株式会社」に変更しています。また、同年に複写機事業を親会社である東芝から譲渡されています。

扱っている商品は、POSシステムなどの流通系システム機器や、官公庁などで利用されている自動認識装置、そしてデジタル複合機などがあります。複合機のメーカーとしては、キャノンや富士フイルムビジネスイノベーション(旧:富士ゼロックス)など、国内の他のメーカーよりもやや知名度が劣る面がありますが、複合機の世界シェア率は20%に及び、中国やインドなどの国では、トップシェアを誇っています。国内よりもむしろ、海外で有名なメーカーと言えるでしょう。

国内での知名度が比較的低いため、製品の質も低いと誤解されることがありますが、品質はむしろ優秀と言えます。海外でのシェア率が高いことからも、その点は明らかでしょう。それに加え、東芝テックの複合機は安価な製品が多く、価格では国内のメーカー中で最も格安な価格となっていると言っても過言ではありません。耐久性にも優れていることから、格安で質のよい複合機を求めている場合は、狙い目のメーカーであると言えます。

東芝テックの複合機の特徴

  • 操作性

    東芝テックの複合機の操作パネルは、9型のカラー液晶タッチパネルとなっています。タップによるボタン選択や、スワイプで画面を操作することも可能ですし、ドラッグ&ドロップでボタン位置を変えたり、二本の指で画面サイズを変えるピンチ操作といった、直感的な操作もできるようになっています。

  • 印刷クオリティ

    東芝テックの複合機の印刷品質は、カラー、モノクロ共に600dip×600dpiとなっており、ビジネス用文書のクオリティとしては十分なものであると言えるでしょう。また、特殊用紙印刷などさまざまな用紙にも印刷ができるようになっていますから、オリジナルのノベルティやPOPなどを作るのにも便利です。耐水シールやマグネットシート、特殊加工紙などにも対応することができます。

  • 印刷スピード

    続いては、東芝テックの複合機の印刷スピードについてですが、カラーA4ヨコの印刷で、1分間に75枚のコピーが可能となっています(モノクロA4ヨコでは、1分間に85枚)。ファーストコピータイムは、カラーで5.4秒、モノクロで4.1秒となっており、やはり十分な性能があることがわかります。

  • スキャン

    東芝テックの複合機の読み取りに関しては、両面同時原稿送り装置によって、原稿の裏表を同時にスキャンできるようになっています。これにより、読み取り時間を極力短くすると同時に、通紙距離も短くなるため、原稿にかかる負担も軽減することができます。また、スキャンしたドキュメントは数通りの方法で送信することができ、プリントせずにデータとして閲覧・共有することが可能となります。送信可能な方法としては、クラウド連携機能による保存、同時に2カ所まで可能なファイル保存、ファイリングボックスへの保存、USBメモリへの保存、そしてEメールへの保存という、5通りの方法があります。Eメールでの保存では、スキャンデータをEメールに貼付して送信したり、または保存先のURLを指定して送信することもできます。さらにユーザー認証機能と連携させることで、アドレスを設定していなくても、データの保存先URLを自身のメール当てに送付することもできるようになっています。

  • セキュリティ

    複合機には重要な機密データも蓄積されており、それらをいかに守るかという点も大事になります。東芝テックの複合機は、HDDのデータを、256bitのAES方式を用いて全て暗号化しています。さらに、万一HDDを盗まれた場合でも、他の機器につないで読み取ろうとした段階でデータが無効化されるようになっているため、機密データを流出から守ることができます。また、オプションとしてHDD内の一時的な残存データに対し、ジョブの終了後にランダムデータを上書きすることで、コピーやスキャンなどのデータの漏えいを防ぐという機能もあります。

    このほかにも、出力した人間の情報を強制的に印字させる「セキュリティスタンプ機能」や、二次コピーすると背景に文字が浮かんで、コピーであることを知らせる「地紋印刷機能」などのセキュリティ機能も付属されています。

  • 価格

    前述のように、東芝テックの複合機は、国内のメーカー中比較的に格安価格で販売されています。印刷速度が同レベルの製品でも、他メーカーより数十万円ほど安い値段となっている場合が多々あります。複合機購入にかけるコストを抑えたいという場合は、東芝テックの製品はメリットがあると言えるでしょう。

  • 保守サービス

    東芝テックは国内シェアが小さいメーカーながら、複合機の保守対応が迅速であるという評価を得ています。下位メーカーの場合、保守サービスの拠点が少なくなるため、修理対応も遅れがちなところがありますが、東芝テックはどの地域でも比較的素早い対応が望めます。

  • まとめ

    以上見てきたように、東芝テックは複合機の国内シェア率は低いものの、国外でのシェアはトップという実績を誇っています。製品の質についても、他メーカーと遜色ない性能があり、価格面でも他社をしのぐ安さがあります。知名度は低いながら、製品のポテンシャルは非常に高いと言えるでしょう。