追跡情報印字プリント（セキュリティスタンプ）

重要情報の機密保持は、企業にとって重大な課題です。プリントされた文書が不正にコピーされるといったことは、可能な限り避けたいところでしょう。そうした時に役立つコピー機の機能が、「追跡情報印字プリント」です。呼び方はそれぞれの機種で異なりますが、プリントされた用紙にあるコードを埋め込むことで、不正コピーの防止や、出力の状況が把握できるようになっています。今回は、起業の情報管理においてぜひ活用したいこの機能について、詳しく解説していきます。

追跡情報印字プリントとは

コピー機の「追跡情報印字プリント」とは、重要機密が記載された文書をプリントする際、用紙にデジタルコードを埋め込むことで、不正なコピーやスキャン等の行為を抑止できるという機能です。東芝ではセキュリティスタンプ、ゼロックスではアノテーションなどとも呼ばれ、コピー機の機種によって、それぞれ呼び方や機能には若干の違いがあります。 企業の情報管理体制が厳しく問われる現在、機密情報をいかに漏えいから守るかが課題となっています。追跡情報印字プリント機能は、そうした外部流出が危惧される情報に対し、二次コピーや不正なスキャン、FAXなどの行為を抑制し、さらに誰がいつ出力したかなどの情報も、記録できるようになっています。それにより機密情報の漏えいを防ぎ、また万一漏れてしまった場合でも、どのような経路で流出したかが追跡しやすい仕組みになっています。

印字できるデータは、出力者のユーザーIDや出力した年月日・時刻、コピー機本体のシリアル番号や、アカウントジョブIDなどがあります。また、複製制限コードを埋め込むことで、コピーはもちろん、FAXやスキャンも行えなくすることができます。このデータが埋め込まれた文書をコピーしようとしても、コピー機がデータを検出し、白紙やグレー地で出力されるか、またはコピー自体が停止されるようになっています。機種によってはコピーが防止できない場合もありますが、その場合は、二次コピーした文書に隠し文字を浮かびあがらせることで、不正使用を防止することも可能です。

追跡情報印字プリントのメリット

追跡情報印字プリント機能のメリットとしては、大事な情報の流出を防ぎ、万が一流出してしまった場合でも、どこから漏れたかの追跡が容易になるという点があります。

前述したように、情報管理は、現在企業にとって最も重要な課題といっても過言ではありません。もしも顧客の個人情報や、内部の機密情報が外部に漏れてしまった場合、自社だけでなく、周囲に与える影響は計り知れません。多額の損害賠償が必要になったり、自社の社会的信用も失墜しかねないでしょう。そうしたリスクを最小限にとどめるために、大切な文書ほど、万全のセキュリティ対策を講じる必要があります。

追跡情報印字プリント機能を使えば、不正な二次コピーを物理的に防止できるだけでなく、それが行われた場所や日時、さらに誰が行ったかなども調べることができます。情報流出の抑止効果としては、かなり大きいものがあると言えるでしょう。

追跡情報印字プリントのやり方

追跡情報印字プリントのやり方は、それぞれの機種によって異なります。プリンタードライバーでの設定は、デバイスの設定からセキュリティ印刷機能使用を選択しておくと、ドライバーを使ってプリントを実行するごとに、複製制限コードや追跡情報を埋め込むかどうかを選択できるようになります。また、常時強制的にそれらのコードを埋め込むよう設定することも可能です。ドライバーだけでなく、本体側でも設定が必要になる場合もあります。このほかにも、専用のアプリケーションソフトを使って設定するものもあり、設定の仕方はさまざまとなっています。